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米国株:反落、雇用統計受け最高値に迫るも終盤に下げる

 (ブルームバーグ):6日の米株式 相場は反落。朝方発表の雇用者数が予想よりも増加したため、主な株価指数は最高値に向けて上昇していたが、終盤に失速した。
利上げ観測を背景にリージョンズ・ファイナンシャルやバンク・オブ・アメリカ(BOA)が上昇し、KBW 銀行株指数は1.8%高。一方、S&P500種株価指数の10セクターの中で2番目に配当利回りが高い公益事業株指数は4.1%下げ、2011年8月以来の大幅安。原油相場が上昇を続けたものの、エネルギー株は下げに転じた。

S&P500種株価指数は前日比0.3%下落の2055.47で終了。ダウ工業株30種平均は60.59ドル(0.3%)安い17824.29ドルで終えた。両指数とも昨年12月に付けた最高値にあと1%未満に迫る場面もあった。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「相場はまだ最高値近辺にあるが、ギリシャやウクライナ、原油価格、利上げ時期など答えの出ていない大きな問題がある。そのため、この水準では積極的な買いが手控えられているのかもしれない」と述べた。

S&P500種は一時0.5%上昇した。1月の雇用者数は市場予想を上回る伸びを示し、3カ月間の増加幅は過去17年間で最大だった。

労働省が発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比25万7000人増加した。
ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は22万8000人増だった。
前月は32万9000人増と、速報値の25万2000人から上方修正された。
家計調査に基づく失業率は5.7%に上昇した。労働参加率の上昇が背景にある。


利上げ観測

持続的な雇用増を受け、米金融当局者は景気回復が根付き、年内の利上げに耐え得ると確信する可能性がある。
シュローダーズの債券運用担当者、リサ・ホーンビー氏は「非常に明るい数字だ。市場は年内の利上げを全く予想しなくなっていたが、再び織り込み始めており、少なくとも年終盤に掛けて利上げがあるようだ」と語った。
フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は6日のCNBCとのインタビューで、堅調な米経済統計を受け、利上げ開始時期は今だと考える「潮目」に自身がいると発言。利上げしないことを正当化するのが難しい段階に「急速に近付いている」と述べた。

今週は世界全体で時価総額が1兆3000億ドル超膨らんだ。
原油高でエネルギー株が上げたほか、ファイザーやステープルズなどから総額200億ドルを超える合併・買収が発表された。S&P500種は週間で3%上昇し、昨年12月以来の大幅高となった。


原油高

原油相場は続伸。2週間での値上がり幅は過去17年で最大となった。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、これまでに発表されたS&P500種構成企業の決算のうち、77%で利益が予想を上回り、56%で売上高が予想を上回った。

S&P500種構成企業のうち322社がすでに第4四半期決算を発表。この結果、増益率予想は4.1%、増収率は1.4%と、年初のそれぞれ2.4%、0.8%から上方修正された。
利上げ観測を背景に、JPモルガン・チェースなどKBW銀行株指数を構成する全24銘柄が上昇した。
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